2007年5月24日木曜日

人類は衰退しました

田中ロミオ著「人類は衰退しました」読み始めました。
いやー、面白い。

舞台は未来?人類の数が減り、衰退しつつある時代で、
世界は"小人"たちのものになっている。

そこで"学舎"を卒業したばかりの主人公は、人間と小人の間をとりもつ"調停官"になり、小人たちと接触を試みますが、小人たちは人にめったに姿を見せません

前任者である祖父にコツを教えてもらおうにも、数十年にわたってサボり続けた祖父はノウハウを全く持っていない。そこで祖父から前々任者の記録の書かれたファイルを譲り受け、仕事の仕方を身につけようとする、というところまで読んだところです。

内容はこんな感じ。
○月×日
今日から私も調停官だ。
いまや形骸化したこの役職だが、若い力で出来ることはまだあるはず。
頑張りたい。
里への挨拶もすませた。
それなりに苦労はしたが、前任者からコツを聞いていたおかげでうまくやれたと思う。
よい関係を築いていけたら良いのだが。

○月×日
何日か通いつめ、だいぶ受け入れてもらえたようだ。
早くも彼らの技術を目にする機会を得られた。
噂には聞いていたが、これほどとは……
この業務がいかに大切なものか、よく理解できる。
なぜ組織がここまで縮小されているのか理解できない。
カメラでもあれば良かったのだが……
かわりにスケッチを残しておく。
(該当箇所欠落)

○月×日
今日は宴を設けてもらった。
素晴らしい歓待。
極上のごちそう。
酒に肉、そして魚。山海の珍味。木の実を使った多彩な料理。
実に満ち足りた時をすごすことができた。

○月×日
今日もすごい歓迎を受けた。
ご馳走にはなにを材料としているのかわからないものも多い。
そもそも、魚はともかく肉をどうやって調達しているのだろう。
彼らが狩猟をしているという話は聞いたことがない。
用調査項目としたい。

2日分省略

○月×日
ああ、素材不明のごちそうが今日も。
どれも我々の食文化を再現した料理ばかりだ。
ビフテキというものをはじめて食した。
今では滅多に口にできるものではない。
肉の果実とも言うべき、忘れられぬ味。

2日分省略

○月×日
今日は寿司。
これも数えるほどしか口にしたことはないが、実に旨い。
そしてカニ汁は最強だ。

1日分省略

○月×日
パンがなければケーキを食べればいいのだ。

○月×日
今日もビフテキに継ぐビフテキ。
酒に継ぐ酒。
ビフテキ、酒、ビフテキ、酒、ビフテキ、酒、……

○月×日
ビフ……酒……

無言でファイルを閉じます。
いい塩梅に窓が全開なので、そこから大空に向かってぽーんと投げ捨ててやれば、さぞや心地良いことでしょうね。
貴重な資料?これが?
これは立派に醜聞の範疇です。
「どうだったね?」
祖父が戻ってきました。
「ビフ酒でした」
「そうだ。いいぞ。その認識であってる」


……………

では、再び読書に戻ろうと思います。
一緒に、2ch秋山スレでお勧めと書かれていた中村九郎の樹海人魚も買ってみました。
そちらの感想も機会があったら。


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