2009年6月21日日曜日

さいたまチェーンソー少女

タクミくんが好き。
タクミくんが好き。
タクミくんが好き。
誰よりも好き。死ぬほど好き。世界で、いちばん、タクミくんが好き。
でも、タクミくんは、わたしよりあの女を選んだのだった。
憎い憎い憎いあの女。
あの女の目は一生忘れない。三日前の校舎裏でのことだ。タクミくんはわたしのことを見なかったけど、あのとき、たしかに女はわたしを一瞥した。地下鉄のホームで排水口からさまよい出てきた憐れなドブネズミを見る目つきだった。
許さない。許さない。許さない。わたしのタクミくんにべたべたさわりやがって。ぜったいに、ゆ・る・さ・な・い。

桜坂洋 『さいたまチェーンソー少女』冒頭部分

漫画版が出ていたようです。

原作はまだ本にはなっていないようですが、同一世界観、登場人物もかなり重なる話として
さいたまチェーンソー少女 『S-Fマガジン』 2004年9月号所収
遊星からのカチョーフウゲツ 『S-Fマガジン』 2005年7月号所収
ナイト・オブ・ザ・ホーリー・シット 『S-Fマガジン』2008年8月号掲載

が、あります。図書館に行くとあるかもしれません。


ずっと、上に引用した調子で書かれている一人称視点の小説だったような印象もあったんですが、今見直してみるとタクミくん連呼とかは一部だけですね。

でも、ずっと「チェーンソー少女」視点で、主人公の主観がかなり入っているというかむしろ主観のみで構成されているというか、
「こいつ、本当にタクミと恋人関係だったの?実はただのストーカーだったんじゃ?」
と疑問に感じる文章は非常に良かったです。

『遊星からのカチョーフーゲツ』も同じ世界観の物語で、「チェーンソー少女」の親友の電波ちゃんが主人公。
「わたしとあなたは前世ある王国の騎士でライバル同士であり親友でもあった」みたいな話をチェーンソー少女にしてくるのですが、これ関連でちょいと、人を一人殺さなきゃならないという強迫観念にかられる話。
まあ、「前世、ある王国のお姫様だった」みたいな女の人が関わってきたりするんですが。


ナイト・オブ・ザ・ホーリー・シットは読んでない。


ちなみに、この作家の『よくわかる現代魔法』は7月からアニメになるらしいです。
サブタイトルや内容にコンピュータ関連の話が出てくる話で、今度アニメに関連した設定集、イラスト集らしきもので、256倍本(!)も出るようです。

よくわかる現代魔法が256倍よくわかる本(2009年7月24日(金)発売予定)
http://dash.shueisha.co.jp/schedule/

また、『All you need is kill』は英語版が出るらしいです。7/21発売
http://www.amazon.co.jp/All-Need-Kill-Hiroshi-Sakurazaka/dp/1421527618

…と、現代魔法の漫画も1巻が出ているようですね。買ってみますか。

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