2020年3月23日月曜日

新型コロナ PCR検査を拒否される理由

長いので、太字だけ読めばいいように配慮して書きます。

前回のPCR検査の記事により、時間がかかる検査で、複雑なものであることを紹介しました。
また、専用の装置が必要で、これは100~400万ほどするようなのですが、基本的には病気の診断機というより実験機器であるかと。大学病院になら大学の研究設備内にあるかもしれませんが、一般的な病院内にはないんじゃないかな?というものになりそう。

ここでは、検査は第一の発見のための手段ではなく、最終的な確認程度のものであることを説明したいです。


・「感染している」 と 「ウイルスが見つかる」 は別物
軽い症状に対し、PCR検査をしない理由として人手の問題もあるでしょうが、検査をしてウイルスを検出できるのは果たしてどの程度進行してからなのでしょう。
ウイルスが検出されているということは、ウイルスが体の中で繁殖しているということではあるものの、今まさに入ったばかりとなると、検出されない時期もあるでしょう。
そもそも、空気感染ではなく飛沫、接触で口から胃のほうへ入ってくる病気でありながら肺炎に至り、唾や鼻水から感染が広がる・・・消化器系(胃や腸)から呼吸器系(肺)へ移動しているように見えます。増殖し、鼻水として出てくるのはずっと後。ウイルスが増殖している場所はどこなのでしょう?血液中?

陰性だったはずの人が陽性に変わる・・・と報じられ、恐怖を煽っていますが、そこに未知のメカニズムが存在しているという可能性もゼロではないものの、実はもっと簡単な理由として数が少ないだけなのでは?

なお、ウイルスや菌の観察についても、温度を温めたり栄養を与えたりして、菌などを増殖させるプロセスもあります。測定装置の規定量以上ないと、検出が困難なはずです。軽症な人では検査しても意味がないというのが実態ではないでしょうか。鼻水が出るので念のために検査を・・・と思っても、もう検査する前から陽性とは出ないってわかってしまうという。たとえ前日にコロナに感染している場合であったとしても。



PCR検査は絶対ではない。
前のPCR検査法の記事とあわせ、PCR検査について、「あまりたいしたことはない」と感じられているのではないでしょうか。
「医者はあまり大したことないものを妄信している」といいたいわけではありませんし、「大した事ないものであっても、多少なりとも信頼できるものはこれしかないのだから、PCRは現状最重要な検査なのではないか?検査は可能な限り行うべきなのではないか」という考えもあると思いますが、現実的とはいいがたいものがあります。

実際、時間と人手が無限にあればやったほうがいいんでしょう。希望者と言わず国民全員、毎日1回測れというのを世界中でできれば、新型コロナ封じ込めはずっと進むはず。
しかし、時間、人手(+分析装置数)の問題からそうはいかないので、「まずコロナではないだろう」という場面では検査不要となります。

前述のとおり、新型コロナのように人体に有害なものであっても、PCR検査では「新型コロナと同じような影」を出現させてしまいうことがあります。

感染していても、初期段階では鼻水などからウイルスが出ないかもしれない
感染していなくても陽性に見える結果が混じってしまうかも(擬陽性)

なら、どうすれば信頼性が得られるかといえば、

新型コロナであることの判定としては、
・新型コロナ感染源との接触の疑いが濃い+陽性なら感染
・新型コロナと疑わしき症状+陽性なら感染

といった複数の条件を合わせて判定することになるでしょう。
PCR検査を絶対的な指標として妄信することは不可能。
ただし、

 武漢に行ったことがある人なら、病気でなくても検査や隔離を検討したほうがいいでしょう。
 インフルエンザのような発熱が続いたり肺炎で疑われるなら、親交関係に感染源が見られなくともPCR検査をしたほうがいいでしょう。
 健康そのものな引きこもりでも擬陽性を出す可能性はありうる。もちろん新型コロナには感染していなくても。

満員電車にも乗らず知り合いに海外渡航者もおらず、ちょっと風邪っぽいだけで、「一応検査してもらえませんか?」という人を検査していたらきりがない。
「かなり疑わしい40度の熱があったけど検査拒否された人いるらしいぞ」とかいう人もいるかもしれませんが無責任な伝聞情報はどこまでも進化しますので・・・
偉い人はコロナ感染をひろがっているように見せたくないと言われます。いわゆる事なかれ主義で。しかし医者としても見逃しをやらかしたら責任を問われます。事なかれ主義であればなるべく検査はするでしょう。


・空気感染ではない・・・ことの正しい理解
新型コロナは(エアロゾルによるものを除いて)接触感染、飛沫感染が主なものとなります。
対して、空気感染ということになるとより簡単に感染は広がってしまいます。
空気感染を防ぐには、健康な人であってもマスクなどが有効になります。

空気感染が疑われる場合には、くしゃみによる感染は10メートルにも及ぶと言われます。
テピカジェル インフルエンザの感染経路
https://www.tepika.net/column/vol41.html

10メートルの場合は気づかなくても感染してしまう危険が高く、マスクが有効になるでしょう。しかし飛沫感染程度ということで、新型コロナは2メートル程度。くしゃみを浴びるくらいな距離にいなければ感染の可能性は低い。

また換気の悪い場所が危険と言われますが、空気感染ではないもののエアロゾルが怖いようです。エアロゾルにより、空調を通じて広く感染したというニュースが武漢のほうだったかにありました。
エアロゾルというものは空気中で霧状に見えるくらいになっているもので、こうなると感染は拡大しやすい。
映画館やコンサートホールで非常灯まわりに霧状のものが見える状態がこれでしょうか。
人が集まって騒ぐクラブによる感染も、エアロゾルが発生していると疑われるでしょう。
(クラブの感染では、ハイタッチしたり皆で同じ箱のポップコーンを食べたりするくらいの、いわゆる濃厚接触も起こりやすいと思われる)

このような状況は空気感染同様、マスクを顔に密に張り付けた状態でないと対策しにくいでしょう。状況を避けるのが有効となるかと。

むわっとくるような場面を避けたとしても、接触による感染は起こりやすい。
ジムでの感染を考えるに、
・トレーニング機器に触る
・機器に触った手で汗をかく(汗にはウイルスは含まれていないらしい)
・汗がついた手をタオルで拭く。それからタオルで顔も拭く

といった形が怖いんじゃないかな?タオルも椅子の上とかに置きがち。

電車でつり革を介して広がりそうではあるけれど、顔には触らないので現状拡散は起きていない印象。
しかし夏頃に顔に汗をかくようになってくると、感染が再び広がる危険はあるかも?

また、感染というとウィルスを吸い込んだりして感染する空気感染のイメージが強く、マスクの印象が強いものの、このウイルスの感染は空気感染を除外して考えられています。
それで抑えられているのだから、ある程度信用していいと思うのですが、そうなると気にするべき要素というのは、やはり食事でしょう。

主な感染経路は食事で、口から入ってくる可能性が高い。
濃厚接触による感染とはいえ、手でふれただけで感染しているわけではない。
手で触れ、それが食事などの際に口に入らなければ感染することはないはず。
ジムの例では手の汗を拭いたタオルで顔を拭き、その後唇を舐めるなどの形で体に入ったのではないだろうか。
マスクをしてガードしていても、食事時にはそれを外して手で食べ物を口に入れていくのだから、接触感染に対しマスクの防御力は低い。

拡散させうる側はマスクでくしゃみや咳を止めることが有効ではあるが、コロナの防衛にマスクの優先度が低いというのはこういうことだと思います。
至近距離から咳やくしゃみを浴びせられるのは危険ですが、街中ではそこまで警戒するほどではない(空気感染するレベルの病原体ならマスクによる防衛は有効になる)
実際に病人に接する医師などや、不特定多数の人と近づく必要のあるお店のレジの店員などはマスクをしておくことが有効だと思いますが。
手洗いのほうが重要と。そのほか外出後や食事の前にうがいするくらいで十分という面はあるのでしょう。

感染しても検出されない・・・その期間をどう過ごすか
発症して重態になるまで待てというのか?というわけにもいかない。

まずは電話で相談を。
首相官邸 各都道府県の帰国者、接触者相談センター
https://www.kantei.go.jp/jp/pages/corona_news.html
バスやタクシーを使ったり、病院の待合室で数時間待ったりはお互いに危険があるため、本当に怪しいようであれば救急車を出してくれるのではないか。

海外渡航などが重視されていますが、接触感染している可能性はあります。その場合、優先度を低くみられてしまいますので、初期の対応は遅れてしまうかもしれない。
若者は治る例も多いようですが、重態化し、肺炎になるようでは高齢者は危ないかもしれない。

発症が疑われる際の対処法は、報道されているように初期の高熱に対し無理をしないこと。この段階では重めの風邪、インフルの可能性も考えられ、安静にしていれば収まる場合も。インフルエンザは3~4日でピークを過ぎるとのこと。ここで無理をしていては風邪でも長引いたり、コロナやインフルが感染したりするので注意。
7日経っても・・・というのがコロナと判断してもらえるラインのよう。正直、熱を出したまま7日も待ちたくないですね。

感染症学会 ガイドライン?
1週間以上続く37.5度以上の熱、または1週間以内であっても高熱が続き、呼吸が困難なほどの呼吸器疾患が肺炎を併発していることの目安となるようです。


肺炎から一定の水準までの改善の例
もともと入院、もしくは通院していたケースで迅速に治療が行われた例であるものの、肺炎を発症した状態から治癒した事例が公開されています。

1人は軽度の肺炎からの軽快?で、2人は人工呼吸器を必要とするほどに悪化したものの、現在ではそれを必要としなくなるまでに改善されたとのこと。

市内病院で経験した人工呼吸装置が必要であったCOVID-19肺炎の感染対策、治療について

「軽快」やら「人工呼吸器離脱」やらで、医者があまり軽々しく完治とか快復とか寛解とか言ってしまわないのは、再発の警戒やらを警戒した言い回しのようなもので、一般的に見れば肺炎が治った例が3件あるということでしょう。

海外では感染拡大が起こっている地域もあり、発症したらひどいものであることは確かなものの、治療できないものではない。

マスクはいつまで足りないのかな?
マスクが感染を防ぐために有効か否か、満員電車に乗るやら接客業であるならしたほうがいいと思うものの・・・
マスクが品薄なほど使用されていることは、感染拡大に一定の抑止効果を出している面もあると思います。しかし発症が疑われた際などに、コンビニでマスクが買えるようでないと感染者側が対処できない面もあるので、はやく簡単にマスクを買える状態になっていてほしいものです。

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