2007年8月13日月曜日

ブラック・ホワイト

二週間ほども経って、リトルバスターズもようやくひと通り終わったと思います。
攻略サイトを活用しCGも100%になったことですし、あとは気が向いた時などにバトルとかやってみましょうか。

ブラック・ホワイトは一番下です。予想外に長くなってしまいました。で、まずは・・・


全体的な感想。

シナリオについて、というかシナリオライターについて。(大体において敬称略)
なんでしょうね。麻枝が書かなくなる次回作ではおそらく買わないでしょうね。全体的な部分に関し、麻枝にシナリオ的な部分で口をだせる涼元がいなくなったことも原因だとは思いますが、後半大急ぎにまとめすぎた感じがしてちょい納得いかなかった。
ナルコレプシーに関してもONEのときの「『えいえんのせかい』ができるまでを描いた回想シーン」くらいには前後関係をきっちり描いてほしかった。大体分かるだろ?といわれればその通りなんですが。

キャスト的な理由に加え、クド、葉留佳シナリオでは「ここにエロが入ります」な展開がしっかりあったことから、XRATEDを出す気満々に感じられます。時期は、きっとリトルバスターズがコンシューマで出てからになるでしょうが、その後で大幅加筆のXRATEDか、ファンディスク(アフターストーリー)+18禁拡張データ発売となるんじゃないかと。その際、まだ麻枝がシナリオライターの一人である内に各ライターの実力をアピールしておかないと次回作はもはや鍵のゲームとは認識されなくなるでしょう。

樫田レオ氏のシナリオがいろんな意味でKeyらしかった。前作(?)智代アフターでの感想のブログなどを読んでいくと、最も気に入らなかったシナリオを樫田のシナリオと判断している人が多かった気がしました。
私もそうですが。私は鷹文、河南子シナリオを樫田シナリオと判断しました(=一番気に入らなかった)

シナリオが気に入らなかった以外で樫田氏と予想をつけた理由もちゃんとあります。
それは、「家族風味が最も少なかったから」です。
・智代シナリオ(アフターアフター)、ともシナリオ、鷹文、河南子シナリオの3つのうちもっとも本筋から離れているのは?と考えた場合にもっとも自然に考えられる結果だから。 という部分もあります。

以下、気に入らなかった点ですが、
・河南子の問題が簡単に片付きすぎ
・鷹文の言動が気に入らない。
 ○他の陸上部員との関係。みんなで馬鹿やって・・・といいつつ、自分だけ他の部員と対等でない高い位置にいた点・・・これに関しては春原や真人にも同じことが言えるのかな?とりあえず、「お前だけは馬鹿やってないだろ」な点。他の部員の「馬鹿やる」が盗んだバイクで走り出す展開ではないのはむしろ救いでしたが。
 ○いちいち「河南子をお嫁さんにくれますか?」と聞きに行く点。
一、二度冗談めかして言う程度ならいいですが、こんな中学生いないだろうと。

……まあ、私の個人的な感覚によるものですが、上のような部分が気に入らなかった。そして梶田氏と判断。
……でも、今回は背景にONEっぽさがあった点がプラスであるようなマイナスであるような・・・ですが、全体的にいい話でした。泣くところまではいかなかったけれど。影なしの演出、短歌もよかった。現実にあんな短歌を出品してたら夢見乙女と馬鹿にしていたかもしれないけど、ああいうのも私は好きです。


ちょっとだけ、話は智代アフターの方向にずれていきますが、正直、全てのシナリオで誰一人死ななくても、同等に泣けるシナリオになったんじゃないかと思います。

智代シナリオ(アフターアフター)
完治。あまり上手い展開も思いつかないが、主人公の完治を待ち続けた智代の姿に泣いた。あれだけ待って未亡人は救われない。そっちにはむしろ泣けなかった。

とも
母親の仕事が蔑視されているということからともまで周りから爪弾きにされる・・・というだけで、ともと分かれて山篭りする理由には十分に思えます。っていうか、母親が死んじゃうと、その後ともが山に残り続ける理由が無い気がするんですが・・・死ぬ場合、母親の死後は智代が引き取ってもよさそうに思えます。主人公の状態からして、引き取れる状態になかったために断念したのかもしれませんが。ほかの住人も社会復できたとかにしてもいいだろうし。母と死別するであろう「とも」の未来より、智代とともが別れる場面で泣いたので、ずっと会えない、一緒に暮らせないということなら、ともの母はむしろ死なないほうがいい気がします
鷹文
武田鉄也イベントの後叱責→謝る間もなく他の学校へ異動→気まずくなって陸上にも不参加とかでいいんじゃないかと。で、物語中のレースのゴールにコーチが待っててくれれば。

都乃河氏は中学での英作文の出題が「orangeとpowerで文を作れ」というのがポケットビスケッツな気がするため、私と同年代なんじゃないかと思います。ツンデレとヤンデレな点は良かったかも。・・・いや、微妙か?シナリオの泣ける度合いについては、病んでる部分が怖くて泣けなかったり、姉御の過去が描写が若干足りなかった・・・という感じでしょうか。笑い部分では製作日記の段階で結構期待していました。個別シナリオ内でも、共通部分での姉御の場面でも結構よかったですが、実は製作日記が一番面白かったかもしれません。麻枝氏のもうひとつの人格なんじゃないのかと本気で疑ってましたから。苦言を呈する部分としては、誤字が多かった気がします。・・・だれのシナリオでどういうミスがあったか、みたいなのをメモしながらやっておけば、パッチ作成に役立てたかもしれません・・・小鞠、来ヶ谷は続けてプレーしたのですが、そのあたりに誤字を良く見つけたような記憶があるのです。都乃河氏の日記と合わせて、記憶が捏造されつつあるかもしれませんが。あと、理樹が"俺"って言っていたような。

城桐さんは、今回私としてはもっとも低い評価になります。
葉留佳シナリオでは、佳奈多が実は葉留佳のためを思って・・・という部分が少なかったと思う。見事な鉄仮面(鉄面皮?)ではあるものの、もうちょいわかるように描いてくれないと、最後共感できなかったりしました。女の人ということで、ある意味リアルな戦いだったのかもしれませんが、はっきりいって葉留佳に味方してもいいものか・・・という点もありました。 あの状態のハルカには、正直味方できない。
選択肢も微妙に選びにくい。DNA鑑定を止めるとBADに行くように作ってあるのに、最終的には「鑑定しなくてもいいじゃないか?」な展開にいくところとか。最後おっさんのセリフでうまくまとめようとしても、どうにもズレたこと言ってるようにしか聞こえません。
日にちの進行も分かりにくかった気がします。

昼休みが終わる頃になってようやく片付けは終わった・・・
//背景:教室
「ようし、終わった!」
チャイムがなると同時に、真人が飛び起きた
真人「飯食いに行こうぜ、理樹」


この流れをみて、"真人、今のは昼休みが終わったチャイムだろ・・・"と思ってしまったのは私だけですか? (実際は、上の2行目の部分で日付が変わっていて、それ以降、すぐに次の日の昼休みにつながっていました。)

クドのシナリオでは、もうちょっと説明をして欲しい部分が多かった。ロシア語なんてわかんねーよ!語学は成績Bだったんだ、取ってた科目はドイツ語だけどな!(ロシア語を見たときに言うべき言葉:オイレンシュピーゲル2巻P221より)
他、デウスエクスマキナもギリシャ神話も幸いにして分かったものの、わからなくても調べれば出てくるような内容ではあるものの、もうちょっと説明も書いといてほしい。なぜかボウルには説明あったけど。
クドはロシア語圏の出身でありながら、英語圏の文化にあこがれてるように見えます。トライリンガルである母を目指す点では問題ないものの、コンプレックスにつながっているのはどんなものか。ロシア語が話せないならコンプレックスとしてありでしょうが、外国人が全て英語を話せると思い込むのは日本にずっといる人(のうちの一部)だけでしょう。また、隈取りの模様を描くことを"外国っぽい"と言ったものの、ああいった伝統は日本国内にもあってもおかしくない。古代にはあったはずで、普段はしないのが当然でもどこかのお祭りにあるのでは?それを外国というのは・・・まあ、クドがそう感じたという設定もありかもしれませんが・・・
葉留佳シナリオの静電気トラップとかはなんとなく予想できるものの、クドのシナリオのファイバー?とかは入れ忘れたんでしょうか?全くわかりません。(クド ファイバーとか書かれたメモが手許にある。なにかそんな場面があったはず。たしか真人が出てた。)

両方のシナリオに言えることとして、悲惨なシナリオであるものの泣けるシナリオでは無い気がします。性の問題(主にレイプ等)について、結構女性のほうが残酷な展開を突きつけてくる気がします。今回のクドはどっちかよく分かりませんが、なんとなく他の作品などでレイプなどを扱った例での総論です。小4のころに読んだ旅路(藤原てい)はキツかった。あのころは子供の作り方なんぞ知らなかったのに。冲方丁もマルドゥックスクランブルを書く際に取材に行き、途中でもう自殺したくなったとインタビューで言っていましたし、渡瀬氏も陰陽、パラサイトムーン、空鐘の三シリーズでそれぞれ一回ずつぎりぎり未遂までは出しても、既遂は主要キャラ、脇役、通りすがりを含めて存在していませんし。

なんらためらい無くエロゲが買える人間が言うとおかしく聞こえるのかもしれませんが、男だからこそ、苦手な部分があるのかもしれません。加害者の気持ちは……本能的な部分で理解できないこともありませんが、決して共感できるものではありません。レイプ犯はちょん切っちゃえばいいと思いますが、例えば戦時など、極限状態において周囲にそれが見過ごされる環境があった場合、加害者にならないと誓える男がどれだけいるいことか。アダルトビデオが女性差別を助長し、性犯罪につながるとかの関係とかでAVを批判してる人たちがいた気がしますが(今でもあるのかな?)性犯罪を真正面から否定して、性犯罪抑制の活動に参加している男がいたとして、そいつはゲイか、正義漢ぶってる本当はそのへんに関して並の男より興味津々なんじゃないのか?などと見られそうな気がします。

私はそういった男がいたとして非難するつもりも無いですし、面と向かって答えづらい問い(戦時中、明日死ぬかも知れない状態で、一時の快楽に身をまかせないと誓えるか?とか「アダルトビデオを一度も見たことがないか?とか」)をぶつけてみようなどとは思いません。実際そういった批判的な目で見ている男はそういないかもしれませんし、私自身そういう視線で見ていないにもかかわらず、どうしてもそういうふうに見られそうみたいな・・・そんな自意識過剰気味な部分がありまして。

ライ麦畑でつかまえての主人公も、「・・・やめて・・・」って言われたら、たとえそれが「私そんなに軽い女じゃないのよ」という意思表示のための建前の言葉だったとしてもそれ以上続けられなくなる。といっていましたが、世の中にはこういった男が相当数いるはずです。それらの人は、自分に自信がないからといえばそれまでなのでしょうが、無駄に自信たっぷりなのもどうかと、私は思います。そういう人にも、加虐心のようなものが皆無とは限らず・・・そういった人の場合、レイプには当然反対ながら、自身の心になんらやましいことが無いとは言えない状態な訳でして・・・話がずれてる気がします。でも、男である自分には"決して被害者にならない"といってしまっていいような(すくなくとも日本では)犯罪であるものの、殺人よりも描きたくなかったりする男は多数います。ある意味卑怯かもしれませんが。

女の人はそのへんどう思いながら書いてるんでしょうか・・・


・ブラックホワイト
さて、クドの言葉に「これが私のブラックホワイトでして・・・」な部分がありましたが、これは一体どういう意味か気になりました。ブラックホワイトに関し、様々なサイトはヒットするものの、それっぽい意味を載せているサイトは見当たらない。
ところで、以前図書館で借りたエフトゥシェンコの詩集に、ハバナでの詩(私はキューバ?。ネットでは見つからず)に"ブラックアンドホワイトの問題も解決したのだ"という一節があった。全体的に意味が分かりませんでしたが、これはプロパガンダ映画に使われた詩のようです。この詩には解説が付いており、この詩はエフトゥシェンコの敬愛するマヤコフスキーの"ブラックアンドホワイト"と始まりと終わりが同じであり、マヤコフスキーからの影響が大きいことがわかる・・・と書かれていました。マヤコフスキーです。マヤコスキーではありません。

この詩について調べてみると、マヤコフスキー選集2(小笠原豊樹、関根弘訳 飯塚書店)に載っていました。これはやはり、キューバでの黒人、白人の差別の問題で、貧しい労働者の黒人の青年が、ある日自分の立場に疑問に思い白人の金持ち(砂糖工場経営者)に食って掛かる。コーヒーに入れる真っ白な砂糖がお好きですか?なら黒人に作らせず自分で作ったらどうです?葉巻煙草は黒いですよ。白いあなたには似合いません・・・
白人の経営者は怒り、黒人労働者を殴り飛ばし、その手袋をその場で捨てつつ去っていく。という感じの詩。

このほかにもブラックアンドホワイトは多くのサイトにヒットし、黒人差別について書かれているのですが、クドのセリフと比較して意味が通らない。白か黒か、みたいな意味で使われてるんならあるいは・・・とおもい英和辞典で調べてみると、たしかにそのような意味があるらしいことが分かりました。つまりこれはクドの中でのフラグ的な意味で、理樹が好きか嫌いか、理樹と付き合っているかいないかみたいな部分に白黒つけるための行動だったんじゃないかという点で納得しました。

でも葉鍵板のログ漁ってみるとブラックホワイト=黒白=こく・はく=告白であるらしい。

なるほどー!

って、ちゃんと文章中で補足しといてよ!不親切だよクドと葉留佳のシナリオの人!

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